遂げずばやまじ──目標を持ったら成功するまでは絶対にやめない、という固い決意の言葉である。執念の極地を示した言葉といえる。古来、世に偉業を成した人は皆、この言葉を体現した人である。
日本の蘭学の先駆者、大槻玄沢(1757~1827)は生涯この言葉を自戒の語としていた。玄沢の言葉が残されている。
「およそ事業は、みだりに興すことあるべからず。思ひさだめて興すことあらば、遂げずばやまじの精神なかるべからず」
事業というのは気ままな気持ちで始めてはならない、心に深く決意して事を興すなら、何があっても必ずやり遂げるという強い思いを持って始めなければならない、ということである。