『致知』でもお馴染みの寺田一清氏が、去る3月31日、数え95歳でお亡くなりになった。国民教育の師父と謳われた森信三哲学の実践者、伝道者として多くの人にその尊い教えを知らしめた功績は計り知れない。寺田氏が生涯を通じて積み重ねたものは何だったのか。寺田氏と親交の深いお二人、ハガキ道伝道者の坂田道信氏と円覚寺の横田南嶺管長に、寺田氏の思い出を交えて語り合っていただいた(写真:森信三先生が揮毫された掛け軸「一すじの道をあゆみて留まらず 命の限りつらぬかむとす」)。
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ハガキ道伝道者
坂田道信
さかた・みちのぶ
昭和15年広島県生まれ。県立向原高校を卒業し、農業の傍ら大工見習いとなる。46年森信三先生と出会い複写ハガキを始める。ハガキによるネットワークを確立し、講演などで全国を飛び回る一方、食への関心を深め、自宅を開放した半断食、坐禅断食の会や料理教室を開催。著書に『ハガキ道に生きる』『この道を行く』(共に致知出版社)などがある。
臨済宗円覚寺派管長
横田南嶺
よこた・なんれい
昭和39年和歌山県新宮市生まれ。62年筑波大学卒業。在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。平成3年円覚寺僧堂で修行。11年円覚寺僧堂師家。22年臨済宗円覚寺派管長に就任。29年12月花園大学総長に就任。著書に『人生を照らす禅の言葉』『禅が教える人生の大道』『命ある限り歩き続ける』(五木寛之氏との共著)など多数。最新刊に『十牛図に学ぶ』(いずれも致知出版社)。