先の大阪・関西万博で話題となった量子コンピュータは、我が国の重要な成長戦略分野の一つとして大きな期待が寄せられている。従来のコンピュータとの違い、そこから開けてくる世界はどのようなものなのだろうか。純国産の量子コンピュータ開発に初めて成功し、日本の量子コンピュータ研究を主導する中村泰信氏と根来誠氏は、いかにして未踏の地平を拓き進んできたのだろうか。2人の苦闘、その先に見据える未来とは──。
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理化学研究所量子コンピュータ研究センターセンター長
中村泰信
なかむら・やすのぶ
昭和43年大阪府生まれ。平成4年東京大学大学院工学系研究科超伝導工学専攻修士課程修了。日本電気㈱入社。13年オランダ・デルフト工科大学客員研究員。23年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻にて博士号取得。24年東京大学先端科学技術研究センター教授。令和3年理化学研究所量子コンピュータ研究センター設立に伴いセンター長に就任。4年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻教授。
大阪大学量子情報・量子生命研究センター教授
根来 誠
ねごろ・まこと
昭和58年大阪府生まれ。平成23年大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻博士課程修了。同助教に就任。大阪大学先導的学際研究機構特任准教授などを経て、令和3年大阪大学量子情報・量子生命研究センター准教授・副センター長。キュエル㈱取締役CSO。7年大阪大学量子情報・量子生命研究センター教授・副センター長。