かつて「暴走族の街」という不名誉なレッテルを貼られていた広島。現在、街の治安は警察と県民の懸命の努力によって見違えるほど回復したが、その原動力となったのがトイレ掃除の実践活動であった。これまであまり顧みられることのなかったこの尊い営みが持つ可能性について、現地で青少年健全育成活動に尽力した竹花 豊氏と、竹内光弘氏に語り合っていただいた。
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元警察庁生活安全局長
竹花 豊
たけはな・ゆたか
昭和24年兵庫県生まれ。48年東京大学法学部卒業、警察庁に入庁。平成2年警察庁刑事局捜査二課暴力団対策室長、4年同生活安全局薬物対策課長、6年大分県警本部長、8年警視庁地域部長、9年警察庁官房参事官、11年警視庁生活安全部長、13年広島県警本部長を歴任。15年東京都副知事。17年警察庁生活安全局長。19年警察庁退官。東京都教育委員、東京ビッグサイト社長等を務める。著書に『子どもたちを救おう』(幻冬舎)がある。
平成11年11月、胡子大祭にて。250人の暴走族機動隊と衝突した(上)。パトカーの体当たりで前部がへこんだ暴走族の車 ©中国新聞社提供
元広島県警本部少年育成課長
竹内光弘
たけうち・みつひろ
昭和19年広島県生まれ。39年広島県警警察官を拝命。刑事を中心に40年間の警察人生を送り、平成16年広島県警本部少年育成課長を最後に退職。警察官時代に鍵山秀三郎氏に師事し、トイレ掃除を通じて多くの非行少年を更生させた。また、荒れた学校を立て直すために、地域ぐるみでトイレ掃除を実施。退職後も各地のトイレ掃除と講演活動を続けている。共著に『トイレ掃除の奇跡』(致知出版社)がある。