94歳にして現役スピードスケート選手であり、世界最高齢のスピードスケーターとしてギネス認定もされている丸茂伊一さん。64歳の時にシニアのチアリーダーチームを立ち上げ、91歳のいまも約30名のチームの代表として舞台に立ち続ける滝野文恵さん。生気溌剌と挑戦を続けるお二人に、90代という老年の時代をどう拓くか、縦横に語り合っていただいた。
スピードスケート選手
丸茂伊一
まるも・いいち
昭和4年長野県生まれ。旧制中学を卒業後、陸軍特別幹部候補生となり、15歳の時に終戦を迎える。復員後は実家に戻り農業に従事。45年NHK全国優秀農業(現・日本農業賞)に選ばれ、農林大臣賞を受賞。同年秋には第9回農業祭において天皇杯を受ける。62年から3期にわたり地元茅野市の市議会議員を務めた。趣味で続けていたスケートは85歳から全国大会に出場するようになり、令和5年には最高齢のスピードスケート選手としてギネス記録に登録されるなど、数々の記録を打ち立てている。
ジャパンポンポン代表
滝野文恵
たきの・ふみえ
昭和7年広島県生まれ。関西学院大学卒業後、1年間アメリカ留学。25歳で結婚、1男1女を授かる。53歳の時にアメリカノーステキサス大学で老年学修士号を取得。帰国後、アメリカにシニアチアリーダーチームがあると知り、平成8年63歳で「ジャパンポンポン」を設立。91歳の現在も現役で踊り続けている。著書に『女53歳からのアメリカ留学』(ミネルヴァ書房)『85歳のチアリーダー』(扶桑社)など。