素材のよさを引き出した調味料・食品ブランド「茅乃舎」で知られる久原本家グループ、行列が絶えない和菓子店として有名な鈴懸。いずれも福岡を拠点に、全国に多くのフアンを持つ優良企業である。共に100年以上の歴史を誇る老舗だが、河邉哲司氏、中岡生公氏が家業に入った頃は、経営に全く明るさが見出せない状況だった。お二人は厳しい環境の中で、どのように道を切り拓いてきたのか。その努力の道のりから学ぶべきことは多い。
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久原本家グループ本社社長
河邉哲司
かわべ・てつじ
昭和30年福岡県生まれ。福岡大学商学部卒業後、家業の久原調味料入社。四代目社主を継いでからはタレや調味料のOEM事業に着手。平成2年には明太子で初の自社ブランド「椒房庵」を立ち上げる。17年、自然食レストラン御料理茅乃舎を開業。その後、ブランド「茅乃舎」を立ち上げ店舗展開を図る一方、令和元年に久原本家北海道を設立するなど北海道での事業にも力を入れる。
鈴懸社長
中岡生公
なかおか・なりまさ
昭和44年福岡県生まれ。大阪の和菓子店で2年間修業後、家業の鈴懸に入社。平成10年、福岡岩田屋百貨店に「鈴(りん)」開店。14年、伊勢丹新宿店にて「鈴懸新宿伊勢丹店」開店。19年、福岡市博多区上川端町に和菓子を販売する菓舗に、かき氷や和風パフェも楽しめる茶舗を併設した「鈴懸本店」を開店。22年、三代目代表取締役に就任し、現在に至る。