2019年11月号
特集
語らざれば愁なきに似たり
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語らざればうれいなきに似たり

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    君看きみみ双眼そうがんの色 語らざればうれいなきに似たり

    この詩の作者については諸説あるが、江戸時代の禅僧・白隠はくいんの作というのが定説になっているようである。あの人の眼をご覧なさい、何も語らなかったら何の愁いもないように見えるでしょう、という意味だろう。さらに、何の悲しみもないように見えるが、その眼の奥には深い悲しみが秘められている、と解することもできる。