2019年9月号
特集
読書尚友
インタビュー②
  • こども論語塾講師安岡定子

ゼロ歳からの『論語』

幼い子を対象とする「こども論語塾」を全国で開催し、『論語』ブームを巻き起こした安岡定子さん。その教室では、たくさんの子が嬉々として先賢の言葉を口ずさみ、驚くべき成長を遂げているという。『論語』の素晴らしさを交えながら、この活動に懸ける思いをお話しいただいた。

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2歳で『論語』の名言を口にする子供たち

——安岡さんの手掛ける「こども論語塾」によって、子供たちに『論語』に親しんでもらおうという気運が高まっているようですね。

最初はお寺の一室をお借りして始めた小さな教室でしたけれど、おかげさまで14年経ったいまでは、全国20か所以上で定例講座を開かせていただくまでになりました。
教室には、まだお母さまのおなかの中にいるうちから参加されるお子さんもたくさんいるんですよ。そういう子たちは、2歳くらいで『論語』の言葉を何も見ないで言えるようになるんです。

——2歳で『論語』の言葉を。

別にそういう子が天才ということではないし、厳しいスパルタ教育をやっているわけでもありません(笑)。早くから皆に交じって素読をする音の波の中にひたることで、『論語』の言葉がどんどん沁み込んでいくのでしょう。そしてそれがせきを切ったようにダーッと口をいて出てくるのが、どこの教室の子もほぼ2歳前後なんです。
これは、聞くっていうことがいかに重要かということを物語っていると思うんです。人間の耳というのはとても早い時期から発達するので、子供がまだお母さまのお腹にいる時期も含めて、周りの大人がいかによい言葉を聞かせるかが大事だと祖父の安岡正篤まさひろもよく申していました。昔の人が、生まれた時を1歳とする数え年で年齢を数えていたのは、お母さまのお腹の中にいる時期がいかに大切かということを物語っていますね。

——数え年には深い意味があったのですね。

そうですね。周りの大人が気をつけてよい言葉を話すこと、よい言葉が耳に入る環境を整えてあげることはとても大事だと思うし、お子さんがまだお腹の中にいる頃からお母さまが『論語』のような優れた言葉に触れるのは、とても有効だと思います。
それから、小さなお子さんが『論語』の言葉を言えるようになるのは、音が圧倒的に綺麗きれいだからでしょう。漢文独特のとってもいいリズムがあって、聞いていて心地いいんですね。時々、熟睡している幼い子もいます。まだ字の読み書きができない時期というのは、純粋に音の世界を楽しめるのが、いいところです。

——安岡さんの手掛ける「こども論語塾」によって、子供たちに『論語』に親しんでもらおうという気運が高まっているようですね。

最初はお寺の一室をお借りして始めた小さな教室でしたけれど、おかげさまで14年経ったいまでは、全国20か所以上で定例講座を開かせていただくまでになりました。
教室には、まだお母さまのおなかの中にいるうちから参加されるお子さんもたくさんいるんですよ。そういう子たちは、2歳くらいで『論語』の言葉を何も見ないで言えるようになるんです。

——2歳で『論語』の言葉を。

別にそういう子が天才ということではないし、厳しいスパルタ教育をやっているわけでもありません(笑)。早くから皆に交じって素読をする音の波の中にひたることで、『論語』の言葉がどんどん沁み込んでいくのでしょう。そしてそれがせきを切ったようにダーッと口をいて出てくるのが、どこの教室の子もほぼ2歳前後なんです。
これは、聞くっていうことがいかに重要かということを物語っていると思うんです。人間の耳というのはとても早い時期から発達するので、子供がまだお母さまのお腹にいる時期も含めて、周りの大人がいかによい言葉を聞かせるかが大事だと祖父の安岡正篤まさひろもよく申していました。昔の人が、生まれた時を1歳とする数え年で年齢を数えていたのは、お母さまのお腹の中にいる時期がいかに大切かということを物語っていますね。

——数え年には深い意味があったのですね。

そうですね。周りの大人が気をつけてよい言葉を話すこと、よい言葉が耳に入る環境を整えてあげることはとても大事だと思うし、お子さんがまだお腹の中にいる頃からお母さまが『論語』のような優れた言葉に触れるのは、とても有効だと思います。
それから、小さなお子さんが『論語』の言葉を言えるようになるのは、音が圧倒的に綺麗きれいだからでしょう。漢文独特のとってもいいリズムがあって、聞いていて心地いいんですね。時々、熟睡している幼い子もいます。まだ字の読み書きができない時期というのは、純粋に音の世界を楽しめるのが、いいところです。

こども論語塾講師

安岡定子

やすおか・さだこ

昭和35年東京都生まれ。二松學舍大学文学部中国文学科卒業。安岡正篤師の令孫。「こども論語塾」の講師として、全国各地で定例講座を開催。『論語』ブームの火付け役といわれる。現在は大人向け講座や企業向けのセミナー、講演などでも幅広く活躍。著書に『楽しい論語塾』(致知出版社)など。