2024年2月17日、種子島宇宙センターに大歓声が上がった。我が国宇宙開発の未来を担う次世代の基幹ロケット、H3ロケットの打ち上げが成功したのだ。プロジェクトを率いてきた岡田匡史氏は、この偉業を成し遂げるまでに、想像を絶する窮苦の日を歩んできたという。ロケット開発に懸ける氏の情熱、挫折、願い──。そのひたむきな道程は、私たちに様々な示唆を与えてくれる。
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宇宙航空研究開発機構理事・宇宙輸送技術部門長
岡田匡史
おかだ・まさし
昭和37年愛知県生まれ。平成元年東京大学大学院工学系研究科航空学専攻修士課程修了。JAXAの前身である宇宙開発事業団に入社。以来、種子島宇宙センター、筑波宇宙センターなどで液体ロケット及びロケットエンジンの開発に従事。21年システムズエンジニアリング推進室長。27年H3プロジェクトチームプロジェクトマネージャ。令和6年理事、宇宙輸送技術部門長(現職)。