卓球とラグビー、どちらもかつて世界の強豪国を相手に全く歯が立たない競技だったが、近年、驚異的な大躍進を遂げている。卓球は、上位を独占する中国勢を破り国際大会で優勝を飾る選手を男女共に次々と輩出。ラグビーも、2019年のW杯日本大会で史上初のベスト8進出を果たしたことは記憶に新しい。その輝かしい功績の裏には、10年、20年に及ぶ長い努力の道のりがあった。それぞれの競技で強化を担当してきた前原正浩氏と岩渕健輔氏が語り合う「改革と挑戦の軌跡」、そして「世界で勝つために必要なもの」——。
日本卓球協会副会長
前原正浩
まえはら・まさひろ
昭和28年東京都生まれ。小学生の時に卓球を始め、大学4年次に全日本選手権シングルス準優勝。51年明治大学卒業後、協和発酵工業(現・協和キリン)入社。翌年より日本代表として世界選手権出場。56年全日本選手権でシングルス・ダブルス共に優勝を飾る。60年男子日本代表監督に就任し、ソウル・アトランタ・シドニーの五輪3大会で指揮を執る。平成25年国際卓球連盟副会長。28年日本卓球協会副会長。
日本ラグビーフットボール協会専務理事
岩渕健輔
いわぶち・けんすけ
昭和50年東京都生まれ。小学生の時にラグビーを始め、大学在学中に日本代表選出。平成10年青山学院大学卒業後、神戸製鋼入社。ケンブリッジ大学に留学し、イングランドプレミアシップのサラセンズ入団。その後、セブンズ(7人制ラグビー)日本代表選手兼コーチなどを経て、24年日本代表ゼネラルマネージャー。30年男子セブンズ日本代表ヘッドコーチ。令和元年日本ラグビーフットボール協会専務理事。