今年(2022)4月に満101歳を迎え、日本最高齢の現役ピアニストとして、いまなお聴衆を魅了してやまない室井摩耶子さん。終戦間際にデビューし瞬く間に地位を確立、後年「世界150人のピアニスト」に選ばれた時代の旗手である。しかしその道中には、名声を捨て、自分が納得する音楽を追求した歩みがあった。いつも自然体で飾らない室井さんを突き動かすものは何なのだろうか。
ピアニスト
室井摩耶子
むろい・まやこ
大正10年東京生まれ。昭和16年東京音楽学校(現・東京藝術大学)を首席で卒業、研究科に進む。20年プロデビューし、31年ウィーンへ単身渡欧。ベルリン音楽大学に留学後は世界13か国でリサイタルを重ね、ドイツで出版の「世界150人のピアニスト」に紹介される。57年帰国。平成31年文化庁長官賞、令和3年東京都名誉都民に選出。エッセイ集『マヤコ一〇一歳元気な心とからだを保つコツ』(小学館)が7月28日発売。