昨年(2021)、34年ぶりの全国大会優勝に輝いた慶應義塾大学野球部、同じく昨年、全国大会2冠を成し遂げた星稜中学野球部。それぞれの監督を務めた堀井哲也氏と田中辰治氏は、互いに技術力だけでなく人間力を高めたことが日本一に繋がったと断言する。その秘訣は『致知』をテキストにした勉強会「木鶏会」にあるという。木鶏会を通じて選手は、チームはどう変わったのか─。その軌跡を伺った。
慶應義塾体育会野球部監督
堀井哲也
ほりい・てつや
昭和37年静岡県生まれ。韮山高校卒業後、慶應義塾大学へ進学。59年大学卒業後、三菱自動車川崎で4年間プレーし、現役引退後はマネジャーに。平成5年に創部された三菱自動車岡崎のコーチを経て、8年に監督就任。17年からJR東日本で指揮を執る。令和元年12月に慶大の監督に就任、3年東京六大学リーグ戦にて30年ぶりの春秋連覇を達成。また全日本大学選手権では34年ぶりの優勝を果たす。著書に『エンジョイベースボールの真実』(ベースボール・マガジン社)がある。
星稜高等学校野球部監督
田中辰治
たなか・たつはる
昭和52年石川県生まれ。星稜中学では1年次から活躍するも、怪我により星稜高校ではマネジャー兼三塁コーチャーとして、夏の甲子園準優勝を経験。大学に通いながら星稜高校のコーチを務めた後、平成13年に星稜中の監督に就任。令和3年全日本少年軟式野球大会にて5年ぶり4度目の中学日本一に。その翌月に行われた全日本少年春季軟式野球大会でも優勝し、2冠の偉業を成し遂げた。監督就任以来、史上最多6度の日本一に導いた。著書に『人間性も野球も〝日本一〟』(ベースボール・マガジン社)がある。