虐待をはじめとした親(養育者)からの不適切な養育(マルトリートメント)が、子どもの脳を傷つけることが明らかにされた。内発力をも阻害しかねないマルトリートメントによるダメージから、子どもたちの脳をいかに守ればよいか。脳科学の観点からこの問題に携わってこられた友田明美さんに、子どもたちの脳にいま何が起こっているのかをお話しいただいた。
福井大学、子どものこころの発達研究センター教授
友田明美
ともだ・あけみ
昭和35年熊本県生まれ。熊本大学医学部卒業。平成2年熊本大学病院発達小児科勤務。15年米マサチューセッツ州の病院に留学。18年熊本大学大学院准教授を経て、23年から現職。同大学医学部附属病院子どものこころ診療部部長を兼任。日米科学技術協力事業「脳研究」分野グループ共同研究の日本側代表を務める。著書に『子どもの脳を傷つける親たち』(NHK出版)『虐待が脳を変える』(新曜社)など。