比叡山で最も過酷な行の一つであり、その厳しさゆえに掃除地獄、静の荒行と呼ばれる「十二年籠山行」。開山以来伝わるこの行を戦後初めて満行したのが、三千院門跡第六十二世門主・堀澤祖門師である。若き日に堀澤師のもとに弟子入りした円龍院住職・宮本祖豊師は、戦後6人目の満行者となった。師から弟子へいかにしてその法統は継がれていったのか。いま我われが開祖・伝教大師最澄上人の教えに学ぶべきこととは──。
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三千院門跡門主
堀澤祖門
ほりさわ・そもん
昭和4年新潟県生まれ。25年京都大学を中退して得度受戒。39年十二年籠山行を戦後初めて達成。平成12年叡山学院院長、14年天台座主への登竜門「戸津説法」の説法師を務める。25年12月より現職。著書に『君は仏 私も仏』(恒文社)『求道遍歴』(法藏館)など。
比叡山円龍院住職
宮本祖豊
みやもと・そほう
昭和35年北海道生まれ。59年出家得度。平成9年好相行満行。21年戦後6人目となる十二年籠山行満行を果たす。現在は比叡山延暦寺円龍院住職、比叡山延暦寺居士林所長を務める。著書に『覚悟の力』(致知出版社)がある。