『ちいちゃんのかげおくり』『白いぼうし』など教科書に掲載される作品で知られる児童童話作家のあまんきみこさん。発売から60年が経つ大人気絵本『ぐりとぐら』、童話『いやいやえん』などの作品を通じて多くの子供たちの心に灯をともしてきた同じく児童童話作家の中川李枝子さん。数多の物語を紡ぎ出してきたお二人に約90年の来し方を振り返り、人生で邂逅を果たしてきた本や人について、またそれぞれの作品に込めた思いなどについて語り合っていただいた。
児童文学作家
あまんきみこ
あまん・きみこ
本名・阿萬紀美子。昭和6年旧満州に生まれる。20歳で結婚し一男一女をもうける。日本女子大児童学科(通信)卒業。與田凖一に出逢い児童文学の道に入る。坪田譲治主宰の「びわの実学校」に「くましんし」が掲載される。『車のいろは空のいろ』で日本児童文学者協会新人賞、野間児童文芸推奨作品を受賞。『ちいちゃんのかげおくり』(上野紀子・絵/あかね書房)『きつねのかみさま』(酒井駒子・絵/ポプラ社)など多数。令和5年『新装版 車のいろは空のいろ ゆめでもいい』(黒井 健・絵/ポプラ社)で第70回産経児童出版文化賞。
児童文学作家
中川李枝子
なかがわ・りえこ
昭和10年北海道生まれ。都立高等保母学院卒業後、17年間保育士として働きながら、児童文学グループ「いたどり」の同人として創作を続ける。昭和37年に出版した『いやいやえん』(絵・妹の大村百合子/福音館書店)で厚生大臣賞など数々の賞を受賞。絵本に「ぐりとぐら」シリーズ(絵・妹の山脇百合子/福音館書店)、童話に『ももいろのきりん』(絵・夫の中川宗弥/福音館書店)など多数。