2026年3月号
特集
是の処即ち
是れ道場
インタビュー③
  • 昴 会長西村道子

これたんれん

極めるところに道は拓ける

創業から60年を数え、九州・沖縄の5県で運営、鹿児島・宮崎ではトップ公立高校の合格実績で№1の「昴」。民家の2階でリンゴ箱を机にして始めた学習塾を、九州の学習塾で唯一の上場企業と為さしめた原動力は、「日日是鍛錬」を旨とする人間づくり。創業者の夫と共に、のべ15万人の塾生を送り出し、84歳を迎える西村道子会長の語る〝鍛錬〟とは。

    この記事は約11分でお読みいただけます

    昴 会長

    西村道子

    にしむら・みちこ

    昭和17年鹿児島県生まれ。37年に夫・西村佳夫と共に鹿児島市内で学習塾を起業。40年鶴丸予備校を創業。平成7年12月店頭登録(現在、東証スタンダード市場上場)。18年株式会社昴社長。令和2年日本民間教育大賞「民間教育最高功労賞」受賞。3年より会長。著書に『21世紀を生き抜く子どもたち』(幻冬舎メディアコンサルティング)。

    始まりは、リンゴ箱の机から

    ──ご主人と民家に開いた学習塾を前身とする「すばる」は創業60年を迎え、地元鹿児島県・宮崎県で実績、規模共に業界トップを走っていると伺いました。

    亡くなった創業者の主人・西村よしとは二人三脚で40年以上経営に携わって、その後も必死でしたから、長かったとは感じません。
    おかげさまで昴はいま鹿児島の31校を中心に、宮崎に13校、熊本に10校、福岡に3校、沖縄に4校、計61校を運営するまでになりました。2025年の実績では、例えば鹿児島で学力トップの公立高校3校の入学者は、ほぼ2人に1人が昴の卒塾生です。宮崎県でも、県内最難関の公立高理数科で、定員40名に対して毎年25~30名近くを卒塾生が占める状況です。

    ──高い合格実績のけつは。

    一番大事にしているのが、人間教育、人財づくりです。
    株式会社昴の「使命観」は「日日是鍛錬ひびこれたんれん」です。「鍛錬」の2文字は剣豪・宮本武蔵の『五輪書ごりんのしょ』からいただきました。この使命観の下に、指導理念を定めています。
    1つは、お預かりしたお子さまを全職員が、我が子我が事と思い、厳しく指導する。2つには、学力気力 体力を養成する。そして3つには、責任をもって一人残らず第一志望校に合格させる。
    子供たちが21世紀を生き抜くには、学力を鍛えるだけでは不十分です。避けて通れない受験に取り組む中で、人間的に成長してほしい。それが私たちの願いであり、私たち自身が日々鍛錬していなくてはできないことです。
    振り返れば、昴の始まりはリンゴ箱を机にした、小さな学習塾でした。なぜ生き残れたのだろうと考えると、時代に左右されない理念があったからだと思います。