言わずと知れたフランス料理界の巨匠で、83歳のいまも現役を貫く「ラ・ロシェル」店主の坂井宏行氏。独立して46年になる。その坂井氏に憧れ、伝説の人気番組「料理の鉄人」でかつて対決した経験を持つ後藤雅司氏、63歳。三重県津市に「シャトー ラ・パルム・ドール」を構え、今年(2026年)開業25周年を迎えた。20歳の差はあれど、修業時代に徹底して腕を磨き、数々の得難き出逢いに恵まれ、不退転の覚悟で絶体絶命の窮地を乗り越え、長く愛される名店を築き上げてきた道のりには驚くほど共通点が多い。一流のオーナーシェフはどこが違うのか。お二人の人間学談義に学ぶ。
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ラ・ロシェル店主
坂井宏行
さかい・ひろゆき
昭和17年鹿児島県出水市出身。中学卒業後、17歳でフランス料理の世界へ。ホテル新大阪に入社し、働きながら夜は辻調理師専門学校に通う。19歳で単身オーストラリアに渡り、帰国後は銀座「四季」で3年間修業。「西洋膳所ジョンカナヤ麻布」などでシェフを務め、55年独立。南青山小原会館に「ラ・ロシェル」を開業。平成元年渋谷に移転。11年「ラ・ロシェル南青山」、14年「ラ・ロシェル福岡」、22年「ラ・ロシェル山王」をオープン。17年フランス共和国より農事功労章「シュヴァリエ」受章。
シャトー ラ・パルム・ドール オーナーシェフ
後藤雅司
ごとう・まさし
昭和37年三重県津市生まれ。大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、四日市都ホテルや名古屋ヒルトンなどを経て、平成2年に単身渡仏。フランス各地のレストランで約2年修業。帰国後、三重県青山町の「リゾートパラデューム」で総料理長を務める。13年津市に「ラ・パルム・ドール」を開業。27年に移転し、結婚式場を備えた「シャトー ラ・パルム・ドール」をオープン。31年にパティスリーとブーランジェリーも併設。
1997年にテレビ番組「料理の鉄人」で対決した時 (坂井氏55歳、後藤氏35歳)