ユダヤ人難民の救出、キスカ島撤退作戦、占守島の戦いなど、数々の奇跡を実現し、日本近代史に不滅の足跡を残した樋口季一郎中将。しかし、その名は日本人にほとんど知られていない。樋口中将の孫として祖父の実像を広く発信している明治学院大学名誉教授の樋口隆一氏、日本の偉人・歴史の真実を子供たちに語り伝えてきた横浜市公立中学校教諭の服部 剛のお二人に、樋口中将の貫いた生き方、いまを生きる私たちが学ぶべきものについて、貴重なエピソードを交えて語り合っていただいた。
音楽学者・指揮者、明治学院大学名誉教授
樋口隆一
ひぐち・りゅういち
昭和21年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒、同大学院修士課程修了。ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生としてドイツ留学。帰国後は明治学院大学に奉職し、西洋音楽史を講じる傍ら、指揮者、音楽評論家として幅広く活動。京都音楽賞、辻荘一賞など受賞多数。平成14年オーストリア学術芸術功労十字章を授与。明治学院大学教授・文学部長を歴任し、27年より明治学院大学名誉教授。祖父は樋口季一郎中将。著書に『バッハの人生とカンタータ』(春秋社)『陸軍中将樋口季一郎の遺訓』(勉誠出版)など多数。
横浜市公立中学校教諭、授業づくりJAPAN横浜代表
服部 剛
はっとり・たけし
昭和37年神奈川県生まれ。学習塾講師を経て、平成元年より横浜市公立中学校社会科教諭。元自由主義史観研究会理事。現・授業づくりJAPAN横浜(中学)代表。著書に『先生、日本のこと教えて―教科書が教えない社会科授業』(扶桑社)『先生、日本ってすごいね』(高木書房)『感動の日本史』(致知出版社)などがある。