明治から大正、昭和にかけて活躍した文豪・幸田露伴。代表作として知られる『五重塔』をはじめ、数々の小説を生み出す一方、『努力論』や『修省論』など、人生修養のための随筆を書き残している。それらの書を座右に置き、自身の人生に生かしてこられたという渡部昇一氏に、幸田露伴が説く人生の知恵を紐解いていただいた。
上智大学名誉教授
渡部昇一
わたなべ・しょういち
昭和5年山形県生まれ。30年上智大学大学院西洋文化研究科修士課程修了。ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学留学。Dr.phil.,Dr.phil.h.c.。平成13年から上智大学名誉教授。著書は専門書の他に『日本の活力を取り戻す発想』『歴史の遺訓に学ぶ』など多数。最新刊に『渡部昇一一日一言』(いずれも致知出版社)。