佐藤一斎が40年の歳月をかけて、その代表的名著『言志四録』を書き終えたのは82歳の時。特に晩年に著した『言志耋録』は3年という短い期間で纏め上げている。晩年になるほどいきいきと執筆や子弟教育に打ち込んだ一斎の人生と教えを、一斎の玄孫である深尾凱子氏、一斎全集の編纂にも携わった福岡女子大学名誉教授・疋田啓佑氏に語り合っていただいた。
福岡女子大学名誉教授
疋田啓佑
ひきた・けいゆう
昭和12年中国東北部(旧満州)生まれ。35年九州大学文学部国文科卒。40年同大学院中国研究科修了。都城工業高等専門学校教授、二松學舎大学文学部教授、福岡女子大学文学部教授を歴任。定年退職後は久留米大学などで非常勤講師を務める。著書に『儒者』(致知出版社)『貞観政要を読む』『呻吟語』『池田草庵』『服部南郭』『言志四録に学ぶ(上下)』(いずれも明徳出版社)など。
深尾氏が人生のバイブルとして読み込んでいる『言志四録 座右版』
恵那市佐藤一斎言志四録普及特命大使、読売新聞社社友
深尾凱子
ふかお・ときこ
昭和8年東京都生まれ。東京大学文学部卒業後、読売新聞社入社。記者として活躍する一方、米国アイオワ大学大学院ジャーナリズム学科卒業。編集委員などを歴任。退社後平成元年から埼玉短期大学教授(国際コミュニケーション学科長)、4年に茨城県女性プラザ館長。ともに15年に離職。現在もジャーナリストの傍ら、いばらき大使、恵那市の佐藤一斎 言志四録 普及特命大使などを務める。