潜在能力。一度は耳にしたことのある言葉だが、その意味は掴みがたい部分がある。しかし脳神経外科医として医学の進歩に貢献し、脳科学をスポーツ指導に活用して五輪選手らの快挙を御膳立てしてきた林成之氏はこう語る。「潜在能力は誰もが持つ才能であり、それを高めることはできる」。脳の本能を生かし、限界を超えて前進する秘訣を体験から解き明かしていただく。
スポーツ脳科学者
林 成之
はやし・なりゆき
昭和14年富山県生まれ。日本大学医学部、同大学大学院博士課程修了。マイアミ大学医学部、同大学救命救急センターに留学。平成3年日本大学医学部附属板橋病院救命救急センター部長に就任。27年より同大名誉教授。脳低温療法を開発し国際脳低温療法学会会長も務めた。主著に『〈勝負脳〉の鍛え方』(講談社現代新書)などがある。