全盲の身でヨットを操り、太平洋横断という快挙を成し遂げた岩本光弘氏。試しに目を閉じて視界を遮断してみてほしい。それがどれほど途轍もない偉業であるかが実感できるだろう。かつて光を失い、夢を打ち砕かれ、絶望の底に沈んでいた岩本氏が、人生を大転換させ、夢を実現するまでの道のりを振り返っていただいた。
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全盲のヨットマン
岩本光弘
いわもと・みつひろ
昭和41年熊本県生まれ。幼少期は弱視だったが16歳で全盲となる。筑波大学理療科教員養成施設に進学し、在学中アメリカ・サンフランシスコ州立大学に留学。筑波大学附属盲学校鍼灸手技療法科で教員として勤務。平成25年ヨットにて太平洋横断に挑戦するも、トラブルが発生し断念。平成31年4月に全盲セーラーとして世界初の太平洋横断に成功。令和元年「第12回海洋立国推進功労者表彰」(内閣総理大臣表彰)。著書に『見えないからこそ見えた光』(ユサブル)がある。