日本人とは考え方も習慣も違う途上国の地で、環境ビジネスを成功させた人がいる。日本ポリグル会長の小田兼利氏が推し進める水事業は世界60か国に及び、220万人が透明な水を口にできるようになった。マラリア・ノーモア・ジャパン専務理事の水野達男氏もまた、住友化学時代から取り組む防虫蚊帳の普及などにより、年間100万人いたマラリアの死者を半減させた立役者の1人である。2人はビジネスをいかに軌道に乗せ、また私たちに何を伝えようとしているのか。
日本ポリグル会長
小田兼利
おだ・かねとし
昭和16年熊本県生まれ。39年大阪大学基礎工学部を卒業後、ダイキン工業に入社。47年に独立。平成14年日本ポリグルを創業。発展途上国に綺麗な生水を提供する同社の取り組みは、国内外から広く注目を集めている。
マラリア・ノーモア・ジャパン専務理事
水野達男
みずの・たつお
昭和30年生まれ。北海道大学農学部卒業。22年間の米外資系企業勤務を経て、平成11年住友化学に入社。農業製品のマーケティングを手掛けた後、タンザニアでマラリア予防蚊帳を製造・販売する事業の日本側リーダーに就任。24年から現職。著書に『人生の折り返し地点で、僕は少しだけ世界を変えたいと思った。』(英治出版)。