『代表的日本人』などの著作で知られるキリスト者・内村鑑三。文芸評論家の富岡幸一郎氏は20代で初めてその全集を読んだ時、文章の力強さに圧倒されたという。長年、内村を研究テーマとして歩む中で富岡氏は何を学び、感じ取っていったのか。内村の生涯を辿りつつ、お話しいただいた。
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内村鑑三
うちむら・かんぞう
文久元(1861)年~昭和5(1930)年。キリスト教無教会主義の創始者。札幌農学校卒。雑誌『聖書之研究』を創刊し、講演・著述による伝道で当時の青年層に大きな感化を与えた。主著に『余は如何にして基督信徒となりし乎』『代表的日本人』『基督信徒の慰』『求安録』など。─国立国会図書館「近代日本人の肖像」
文芸評論家
富岡幸一郎
とみおか・こういちろう
昭和32年東京都生まれ。中央大学文学部在学中に書いた文芸評論で第22回群像新人文学賞(評論部門)優秀作を受賞。以来、文芸評論家として活躍。現在関東学院大学教授、鎌倉文学館館長。著書に『使徒的人間カール・バルト』(講談社文芸文庫)『内村鑑三』(中公文庫)『川端康成 魔界の文学』(岩波書店)『虚妄の「戦後」』(論創社)など。近刊に『生命と直観―よみがえる今西錦司』(アーツアンドクラフツ)他多数。