井口 潔氏、98歳。井口氏が1冊の本を通して人間教育の重要性に目覚めたのは大学退官を5年後に控えた時だった。以来、今日に至るまで生物学的な見地から人間教育のあり方を研究し続けてきた。素読を中心とする日本の伝統教育がいかに理に適ったものなのか、また読書は人格形成にどのような影響を与えるのか。これまでの研究内容を交えつつ、親交のある「博多の歴女」こと白駒妃登美さんとともに読書について語り合っていただいた。
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九州大学名誉教授
井口 潔
いのくち・きよし
大正10年福岡県生まれ。昭和22年九州大学医学部卒業。38年九州大学教授。60年九州大学名誉教授。同年佐賀県立病院好生館館長。のち名誉館長。大学定年後は日本学術振興会井口記念人間科学振興基金において生物学的教育論を展開してNPO法人「ヒトの教育の会」を設立、理事長を務める。著書に『人間力を高める脳の育て方・鍛え方』(扶桑社)など。
ことほぎ代表
白駒妃登美
しらこま・ひとみ
昭和39年埼玉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、大手航空会社の国際線客室乗務員として7年半勤務。日本の素晴らしい歴史や文化を国内外に発信する目的で平成24年株式会社ことほぎを設立。「博多の歴女」として年間200回に及ぶ講演や歴史講座を行う。著書に『心に光を灯す日本の偉人の物語』(致知出版社)など多数。