2021年6月号
特集
汝の足下を掘れ
そこに泉湧く
特集

なんじの足下を掘れ
そこに泉湧く

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    先月号本欄で八木重吉じゅうきちの詩『花』の冒頭2行を紹介したが、素晴らしい詩なので改めて全文を掲げる。

     花はなぜうつくしいか
     ひとすじの気持ちで咲いているからだ
     本当にうつくしい姿
     それはひとすじに流れたものだ
     川のようなものだ
     人生はいつたのしいか
     気持ちがひとつになり切った時だ

    八木重吉は28歳で亡くなった。夭折ようせつの人である。夭折の人でなければこういう詩は書けまいと思わせる詩である。